ソニスフィア。イギリスのヘビーメタルの祭典である。
「イギリス、海外進出、そんなに簡単な事じゃじゃないだろうなぁ」
ソニスフィアへ参加する事が決まった時から、Su-metalは孤立無援のステージになる事を覚悟していた。そして、
「でもね、大丈夫。3人でいつもの事をいつものように全力でやれば、観てくれてる人は観てくれてる。」
どんな事態になってもMoametalとYuimetalが悲しがらないように、自分自身に言い聞かせる為にも、そんな言葉をレッスンルームで口にした。
その頃、事務所ではプロデューサーKOBAの大声が響き渡っていた。
つづく
その頃、事務所ではプロデューサーKOBAの大声が響き渡っていた。
「えぇえっ!?BABYMETALがメインステージに変更?しかも昼間の2番手で?ちょ、ちょっと待ってください。」
声色は相当に慌てている。電話の相手はソニスフィア主催者である。
「BABYMETALの参加を告知してから問い合わせが止まらないんだよ。Forumのチケットも売り切れた程の人気だそうじゃないか。
小さなテントステージで暴動が起きたらそれこそかなわんのだよ。BABYMETALはメインステージの方で頼むよ。なぁに、真昼間の早い時間だよ。ペットボトルを投げ込む客もそんなにいやしないさ。」
ソニスフィアのステージが小さなテントステージからメインステージに変更。こんな通告を3人にしなければならない。
レッスンルームのドアノブがとても重たかった。
つづく
レッスンルームのドアノブがとても重たかった。
「お客さんの目当ては、最後のアイアンメイデンなんだよ。つまり…」
「お客さんがほとんどいないって事ですか?」
Su-metalは笑顔のまま続けた。
「大丈夫!いつもの事をいつものままやる事に意味があるんです。」
KOBAが苦い顔を隠せないまま言う。
「お客がいないだけならまだしも、どんな最悪な事が起こるかわからないんだ。」
「喜んで貰えないとペットボトルを投げつけられるんですよね?」
「そのペットボトルの中身って満タンのオ◯ッコなんだって!」
「きゃ~~~~」
「何本も何本も飛んでくるんだって!」
「よけなきゃ!しゅ!しゅ!」
MoametalとYuimetalはシャドーボクシングのモノマネをしながらはしゃいで見せる。
過去、ほとんどの新人アーティストはこのペットボトルの犠牲になっていた。ブーイングにさえ慣れていない日本人には相当に酷な通過門である。
「大丈夫よお父さん(KOBA)、いつもの事をいつものように頑張るだけだから。」
「大丈夫大丈夫!」
気丈に見せてるYuimetalとMoametal。その様子に、Su-metalの顔が少し和んでいた。
つづく
ソニスフィアの当日、朝から冷たい雨が降り注いでいた。ただでさえ観客の出足が鈍くなる昼間、そこへ来てのこの雨。FOX GODは試練の上に試練を詰み上げて、いったい何がしたいのだろうか。
そしてついに登壇が直前までやって来た。
ステージ袖ではBABYMETALの3人がいつもの円陣を組んでいた。
「観てくれてる人は1人でも100人でも同じ。完璧なステージにしましょう!」
「おー!」
「おー!オ◯ッコボトルなんてシュッシュよけちゃうんだから!」
最後の決意が終わった直後、1曲目BABYMETAL Deathのイントロが流れ始める。
3人は重低音のリズムに合わせ、下手袖からステージへと歩みを進めた。
「精一杯パフォーマンスしよう。いつものように。」
頭の中で呟きながら歩みを進める。
ステージのセンターポジションに到着し、3人は顔を上げた。
「え…?」
そこには、想像だにし得ない風景が広がっていたのである…
どのくらいの人がいるのだろう。よくわからない。目の前には見たこともない量の人間で埋め尽くされた大地が広がっていた。(公称60000人)
「この光景は何なんだ?」
地鳴りのような歓声が3人を迎える。
そして、神バンドの繰り出す爆音と観客の地鳴りが、雨どころか、雨雲をも振り払ってしまった。MoametalとYuimetalは、顔が上気するのを感じた。
と、同時に大変な事態が起こってしまう。
つづく(のか)
ポジショニングが終わったらすぐに脱ぐはずだったお揃いのパーカー、Yuimetalのものが脱げないのである。袖が絡み付いて腕が抜けない。曲は進む。
Yuimetalは自分に言い聞かせた。
「ゆっくり落ち着いて外せばいい。ゆっくり落ち着いて外せばいい。全ての所作をビートに合わせるんだ。全ての動きをビートに乗せるんだ…」
お立ち台に上がりメインポジションに着いたMoametal。すると、そのイヤホンモニターから音が聴こえない。演奏とクリックが鳴ってないのである。
今、何処の時間軸にいるのか、その指標から完全に切り離されてしまった。大切なステージの上でMoametalは迷子になった。曲は進む。
Moametalは自分に言い聞かせた。
「お腹に響いて来るキックの振動、そのテンポで居場所を掴むんだ。何処にいるのか探すんだ。落ち着いて落ち着いて。1,2,3,4,1,2,3,4,…」
つづく(スレが終わらなければ!)
個人的には失敗の裏話ってあまり好きじゃないんだよな
パーカーが引っ掛からないように、衣装さんと話してこう改良した
イヤモ二セッティングを確実に行うために、PAと話してこう改良した
そーゆー話なら好きだけど
まだまだ新しいファンを巻き込んで伸びるさ
あらためて確信したよ
オレおま
3人以外のスタッフを含めたチームBABYMETALの誕生したアウェイFesだからな
私の選ぶロックな瞬間 BY SU-METAL (BABYMETAL)
SONISPHERE FESTIVAL
「私たちを見てくださる方々が客席に居るのかどうかわからずに、ステージ裏に立っていた時の事を思い出します。
でももちろんステージに上がると、みなさんが見えて、
人々が網の目のように集まってくださっていたので、人間に見えないくらいでした。
本当に本当に圧倒的な経験でしたし、私はあの瞬間の事を永遠に忘れる事はありません。」
舞台裏で3人が頭寄せ合って円陣組んでいる写真が出たときには
緊張と恐怖で震えてるんだろうなと思って思わずガンバレって言いたくなったけど
後日談では「お客さん入ってなかったらどうしよう」だからな。恐れ入るわ。
円陣の写真upして、見たい
ソニスの時はあまりのオーディエンスの多さにかなりナーバスになってるんだよな。
すぅがどっかで言ってた。
客の少なさに気落ちしてたのは読んだけど
ステージ脇からだと客席が見えないから
ステージ袖から覗いたら
そのときはお客さんが全然見えなくて3人が不安になったと
どこかで読んだ覚えがある
ソニスかどうかは分からないけど円陣を組んでて
どっちがゆいもあだか分からずにクイズになってた画像ならあったね。
引用元:http://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/babymetal/1456565190/
http://hayabusa8.2ch.sc/test/read.cgi/mnewsplus/1456579715/
よくある、完全空想、架空の物語は少しも面白くないけど、
事実を基にしたこれは面白い。
スポーツものとかでもよくあるような劇的な脚色。
実際が全てこの通りではなかっただろうけど、
でもおそらくそういう感じだったんだろうな
と思うと泣けてくる。
「よけなきゃ!しゅ!しゅ!」は笑ったw
これはもあだなw
きんもー★